福岡から宮崎にひっこしてきて、だいたい2週間くらいたった。

タイムカードを押すとき、2週間分印字がならんでいるのを見て、もうこんなに働いたのかという不思議な感覚になった。

こっちにきて、後悔半分と期待値が半分。

牧場のにおいには少し慣れてきたけど、虫とか力仕事にまだ慣れない。

くもが一番おおいのだが、くもは虫の中で一番苦手・・・

いたるところに巣があって、朝いちばんのときは気を付けないと顔に巣がひっかかる。

前のわたしなら考えただけでぞわぞわしてただろうけど、これもお金のためと思ってなんとかがまんしている。

次に多いのがゴキブリだが、ゴキはしぶといけどいまのところ攻撃してこないのでまあいいか。

あと、この前、壁にたてかけてあった板を引っぺがしたときに、板になんかごろっとしたものがついてて、形や質感はうんこっぽかったからぶたのふんかなと一瞬思ったのだけど、やっぱりうんこじゃないとわかって大声をあげてしまった。

それはでかい虫だった。ころころしたぶたのふんくらいのでかさの、暗い赤のゼリービーンズみたいな色の。それが2,3ひき連なってぶらぶら板の裏にひっついてた。

重量がおかしくて、それが動くだけで木の板が反動で動く。

家にたまにでるちっちゃい虫だけでも限界なのに、これからも未知なる虫がごろごろでてくると思うと不安で仕方がない。

 

牧場の人はいい人っぽいひとばかりだ。

田舎なのでけっこうずかずかこられていやだなと感じることもあるが、福岡ほど男尊女卑も強くなくて過ごしやすい。

こっちにきて思ったのは、男の人がおだやかということ。

福岡だと男の人はしゃべらないし、不器用?なのでこっちから話しかけないとダメだし、よいしょしないとダメだった。

でもこっちの人はコミュ力が高いので、福岡みたいな変に執着する変な人がいなくて、やさしくしてくれる。

あと福岡に比べると女の人口が少ないのかもしれない。

 

街の雰囲気は、いいなと思うところもあれば、まだ慣れないところもある。

奥まった路地とかはノスタルジックな感じでよかったが、基本じめっとしているのが私には合わないみたい。

海がないからなのか、ずっとじめじめしているのがちょっとうっとうしい。

あと田舎だから仕方がないけど、夜暗くなるのがはやくて、街灯もあまり頼りにならないので暗すぎる。

7時には真っ暗で、自転車のライトをつけても、前がよく見えない。何回かブロックにぶつかりそうになった。

あと公園が少なくて、夜は暗い。

大濠公園は深夜でも明かりがついてたから、それが当たり前と思っていた。

思い立った時に走りに行けていたけど、こっちだと仕事前の早朝か夜の9時くらいに限られそう。

 

仕事は、つらいと感じるときもあれば、思ったよりいけるかもと感じるときもある。

重たいものを持ち上げたり、餌をあげるためにあっちこっち行き来するのは慣れてきたけど、こんなことをいったら申し訳ないが、自尊心がごりごり削られていく感じがする。

なんでわたしはこんなことをしてるんだろう?とか、大学に行ってふつうの会社に就職していたらもっと楽だったのかなとか

全部、面倒なことから逃げてきた私の結果だ。

学生時代もなにも行動を起こさず、勉強もたいしてできないし、特技もなかった。

いまの選択肢が、そういったいろんな分岐点で失敗しつづけてきた私の、最悪の選択なんじゃないかと思うときがある。

できれば3年続けたいけど、1年も見通しがつかない。

 

自尊心の崩壊から心を守るために、一つの意識をもって仕事をすることにした。

それは、今は自分の夢をかなえるための時間稼ぎの時間だという意識だ。

今を生きることに精一杯になって、なにもかもを吸い取られていくのではなく、かくたる目標をもって1日を生きる。

仕事が苦しければ苦しいほど、1日を無駄にすごして浪費できないと思う。

昔のわたしとは正反対だ。

なにかしよう、しなければと思うのに、足が前に進まなかった。新聞配達のバイトだけで日中は時間がたっぷりあったのに。

でも、6時に帰宅して、朝の6時に出発ではできることにも限りがある。

睡眠を削れば日中きつくなる。

食費のためには自炊の時間も必要だ。

今週はやりたいことを優先するあまり、すこし体をこわしてしまった。

頭が痛くなって少し吐き気がした。雨でぬれた服と、エアコンがこわれててガンガンだったことも追い打ちをかけたのだと思うけど、一番は生活の乱れだ。

今週末車がくることになっているので、果たして車がどれだけのポテンシャルを秘めているのか、期待するほかない。